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電子音響音楽演奏会Vol.5

電子音響音楽演奏会Vol.5

日時:1月13日(金)18:00開演(17:30開場)
場所:大分県立芸術文化短期大学音楽ホール

三浦 由乃 / Beats (2023)
岩下 由依 / imagination (2023)
佐藤 仁香 / Geometric (2023)
髙橋 倫太郎 / 夜の出来事 (2023)
杉山 達哉 / ほら (2023)
枝次 竜明 / Foggy day (2023)
入江 真依 / ambivalence (2023)
橋本 皐 / 海水 (2023)
日髙 早稀 / チコリー (2023)

RME Babyfaceをスタンドアローン・モードでマイクプリアンプとして使う

RMEのBabyfaceをPCにもipadにも繋がずに、スタンドアローン・モードで高音質のマイクプリアンプとして用いる方法を紹介します。僕が行った作業は以下のとおりです。

1. まずはPCにBabyfaceを繋げた状態でファームウェアを2.0以上にアップデートしておきます。 http://www.synthax.jp/drivers.html

2. line outの1と2 (XLR)からパワードスピーカー等に繋ぎます。スピーカー側の電源はまだ切っておきましょう。

3. PCからusbケーブルを外し、iphone等のusb/DCコネクタに差してACから直接電源を供給します。当方フランス在住なので電源タップの形状が違いますが、100V-240Vから5V、1Aに変換するAC/DCアダプタであれば日本でも世界中どこでも同じことです。

4. 1本のオプティカルケーブルでBabyfaceのoptical in とoutをループするように繋ぎます。黒色が入力、灰色が出力です。

Toslinkの角型ケーブルを使います。

これでbabyfaceのADコンバータ、DAコンバータの両機能がリンクされ、デジタルを介したline in / outの回路ができました。

次に、ADサンプリング周波数を設定します。

5. Selectボタンでoutを選択し、丸いボタンを長押しすると、左メーターの緑LEDが常燈します。

丸いボタンを一度離し、時計回りに回して、下から数えて7番目のLEDを選択すると、サンプリング周波数を192kHzに設定できます。もう一度丸いボタンを押して決定します。

ADサンプリング周波数と緑LEDの対応関係は、1番下のランプを1とすると、

7: 192 kHz

6: 176.4 kHz

5: 96 kHz

4: 88.2 kHz

3: 48 kHz

2: 44.1 kHz

1: AutoSync

このように配置されており、好みでレートをスイッチできます。今回のようにマイクプリアンプとして使う場合、出力も入力もBabyfaceで完結しているので、最大レートの192 kHzで問題ありません。結線がループしているので、ADサンプリングを決定するとDAサンプリング周波数はsyncで自動的に設定されます。

次に、上記のOptical接続を、マルチチャンネルのAdatではなく、ステレオのSPDF信号として認識させます。

6. Selectでphoneを選択した状態から丸ボタンを長押しし、左ではなく右のメーターが急上昇するのが確認できればOKです。左が上昇した場合、もう一度長押しすれば、今度は右のメーターが上がるはずです。

以上で内部の回路が準備出来たので、コンデンサマイクを接続します。写真はRoadのNT5が2本です。もちろん一本のマイクだけ使うこともできます。

7. マイクをステレオで使う場合、Selectでinを選択し、丸いボタンを3回クリックします。そうすると、左右の両メーターに緑LEDが点滅し、line inの1、2チャンネルが選択されます。モノラルの場合は1回クリックで左のメーターだけが点滅します。

メーターが点滅、選択された状態で丸いボタンを長押しすると、選択したチャンネルのメーターの根本にオレンジ色の光が付きます。これでファンタムがオンになりました。再び短く丸いボタンを押すと、line in の設定が完了します。(ファンタムをオフにする際はチャンネルを選択し、オレンジ色の光が消えるまで長押しします。)

これで、コンデンサマイクと、ファンタム・オン状態のマイクプリアンプと化したBabyfaceの準備が整いました。スピーカーの電源を入れ、selectでoutを選択し、丸ボタンを回して出力ボリュームを調整しながら、コンデンサマイクの集音状況をモニタし、動作チェックして下さい。勿論、line outとは別にヘッドフォンで音をモニタリングすることもできます。作業を終了する際には、まずファンタムを切ってスピーカーを落とした上で、Babyfaceのusb電源を抜きましょう。電源が落ちるとデジタルの回路設定(5、6で行ったステップ)が自動で保存されるので、同じ目的で次にスタンドアローンで立ち上げた際に、再度設定する必要はありません。

また、フィールドレコーダーと共に屋外録音用途のポータブル・マイクプリアンプとしてBabyfaceを使用する場合、cheero Power Plus 2などの大容量モバイルバッテリーに接続して動作できるようです。5V1Aの電流が必要なため、バッテリーによってはUSBのY字ケーブルで電流を増強する必要があるようですが、スタンドアローン・モードではファンタム・オン状態で上手く動作しているようです。

参考: http://www.rme-audio.de/forum/viewtopic.php?id=17718

次回はその辺についてもう少し触れられればと思います。以上、RMEのBabyfaceをPCにもipadにも繋がずに、スタンドアローンモードでマイクプリアンプとして使う方法でした!

謡いと十三弦箏のための「いろは唄」レコーディング

本日、拙作の謡いと箏のための「いろは唄」の録音がありました。演奏はパリと東京を行き来される邦楽演奏家の日原史絵さんで、録音は2014年夏にフランスのAir Mail Musicレーベルよりリリース予定です。

本作品のオリジナルは声楽家の盛田麻央さんのために書き、パリ国立高等音楽院の声楽修了演奏会で盛田さんと日原さんによって初演されたソプラノと箏のための作品で、その後、韓国の統営国際音楽祭など世界各地で再演されていますが、今回の録音は、日原さんのために箏弾き歌いのために編曲したバージョンで、こちらは日原さんによってトーキョーワンダーサイトなどで演奏されています。

場所はパリ9区のとある地下カーブ(貯蔵庫)を改造して作られたプライベートスタジオ。完全防音ではないため、地上の騒音が少ない深夜に集まっての録音でした。

深夜とはいえメトロの鈍い振動が時々響いてきましたが、録音技師のシャルルさんによると、これぐらいならローカット対応で全く問題ないとのこと。

シャルルさんは御年70歳で、かれこれ40年以上、世界を旅して民族音楽を録音、収集して来られた大ベテランです。ヘッドホンはAKGのK501を使っておられました。

彼が他にどんな機材を使っているのかチェックさせて頂きました。

録音機は僕も何かとお世話になっているSony PCM D-50

マイクプリは20年来使っているというフランスのE.A.A. PSP-2

マイクはSennheiser MKH 40-P48が2本。アマゾンの奥地でも使ったらしいです。

​コンパクト、ポータブルながら拘りを感じる機材セレクトでした。

同じく自作品の録音のために駆けつけられた山本和智さんは、直接日本からの参加でした。

先月東京の本番であまりお話できなかったので、パリで邂逅。

録音後の記念撮影。