ディアロゴス

バリトンサックスのための (2010) 

初演: 2010年4月23日 音と映像の旅, ポルトガル・リスボン写真センター, ポルトガル
サックス:ヘルダー・アルヴェス

この作品はサックス奏者ヘルダー・アルヴェス氏の委嘱により2010年に制作し、リスボン写真センターで初演された。ギリシャ語のディアロゴス(dialogos)は『間』を意味するディア(dia)と『言葉』を意味するロゴス(logos)の複合語で、英語・フランス語のディアローグ(dialogue)と同じく『対話』を意味する。サクソフォーン独奏による《ディアロゴス》では、性格の異なるいくつかの発声や発話が立ち現れ、それぞれが徐々に変化しつつ対話が織りなされていく様を描いている。何もない空間から身振りと語りで人格を演じ分け物語を紡ぐ噺家のように、複数の発声や発話の間で対話を形成する独奏曲を描こうと思い制作した。