RME Babyfaceをスタンドアローン・モードでマイクプリアンプとして使う

RMEのBabyfaceをPCにもipadにも繋がずに、スタンドアローン・モードで高音質のマイクプリアンプとして用いる方法を紹介します。僕が行った作業は以下のとおりです。

1. まずはPCにBabyfaceを繋げた状態でファームウェアを2.0以上にアップデートしておきます。 http://www.synthax.jp/drivers.html

2. line outの1と2 (XLR)からパワードスピーカー等に繋ぎます。スピーカー側の電源はまだ切っておきましょう。

3. PCからusbケーブルを外し、iphone等のusb/DCコネクタに差してACから直接電源を供給します。当方フランス在住なので電源タップの形状が違いますが、100V-240Vから5V、1Aに変換するAC/DCアダプタであれば日本でも世界中どこでも同じことです。

4. 1本のオプティカルケーブルでBabyfaceのoptical in とoutをループするように繋ぎます。黒色が入力、灰色が出力です。

Toslinkの角型ケーブルを使います。

これでbabyfaceのADコンバータ、DAコンバータの両機能がリンクされ、デジタルを介したline in / outの回路ができました。

次に、ADサンプリング周波数を設定します。

5. Selectボタンでoutを選択し、丸いボタンを長押しすると、左メーターの緑LEDが常燈します。

丸いボタンを一度離し、時計回りに回して、下から数えて7番目のLEDを選択すると、サンプリング周波数を192kHzに設定できます。もう一度丸いボタンを押して決定します。

ADサンプリング周波数と緑LEDの対応関係は、1番下のランプを1とすると、

7: 192 kHz

6: 176.4 kHz

5: 96 kHz

4: 88.2 kHz

3: 48 kHz

2: 44.1 kHz

1: AutoSync

このように配置されており、好みでレートをスイッチできます。今回のようにマイクプリアンプとして使う場合、出力も入力もBabyfaceで完結しているので、最大レートの192 kHzで問題ありません。結線がループしているので、ADサンプリングを決定するとDAサンプリング周波数はsyncで自動的に設定されます。

次に、上記のOptical接続を、マルチチャンネルのAdatではなく、ステレオのSPDF信号として認識させます。

6. Selectでphoneを選択した状態から丸ボタンを長押しし、左ではなく右のメーターが急上昇するのが確認できればOKです。左が上昇した場合、もう一度長押しすれば、今度は右のメーターが上がるはずです。

以上で内部の回路が準備出来たので、コンデンサマイクを接続します。写真はRoadのNT5が2本です。もちろん一本のマイクだけ使うこともできます。

7. マイクをステレオで使う場合、Selectでinを選択し、丸いボタンを3回クリックします。そうすると、左右の両メーターに緑LEDが点滅し、line inの1、2チャンネルが選択されます。モノラルの場合は1回クリックで左のメーターだけが点滅します。

メーターが点滅、選択された状態で丸いボタンを長押しすると、選択したチャンネルのメーターの根本にオレンジ色の光が付きます。これでファンタムがオンになりました。再び短く丸いボタンを押すと、line in の設定が完了します。(ファンタムをオフにする際はチャンネルを選択し、オレンジ色の光が消えるまで長押しします。)

これで、コンデンサマイクと、ファンタム・オン状態のマイクプリアンプと化したBabyfaceの準備が整いました。スピーカーの電源を入れ、selectでoutを選択し、丸ボタンを回して出力ボリュームを調整しながら、コンデンサマイクの集音状況をモニタし、動作チェックして下さい。勿論、line outとは別にヘッドフォンで音をモニタリングすることもできます。作業を終了する際には、まずファンタムを切ってスピーカーを落とした上で、Babyfaceのusb電源を抜きましょう。電源が落ちるとデジタルの回路設定(5、6で行ったステップ)が自動で保存されるので、同じ目的で次にスタンドアローンで立ち上げた際に、再度設定する必要はありません。

また、フィールドレコーダーと共に屋外録音用途のポータブル・マイクプリアンプとしてBabyfaceを使用する場合、cheero Power Plus 2などの大容量モバイルバッテリーに接続して動作できるようです。5V1Aの電流が必要なため、バッテリーによってはUSBのY字ケーブルで電流を増強する必要があるようですが、スタンドアローン・モードではファンタム・オン状態で上手く動作しているようです。

参考: http://www.rme-audio.de/forum/viewtopic.php?id=17718

次回はその辺についてもう少し触れられればと思います。以上、RMEのBabyfaceをPCにもipadにも繋がずに、スタンドアローンモードでマイクプリアンプとして使う方法でした!